口臭・中度歯周病 40代 女性

「左上の歯から嫌な臭いと味がする。家族に口臭を指摘された。」
ご本人は全く自覚症状が無く、口臭を改善する為に来院されました。
ご自身では熱心に歯磨きされていましたが、確かに臭いもあります。
そして何よりも、左前歯の歯肉がとても腫れていました。触ると出血もあり、歯周ポケットは9㎜ありました。
(写真*印の歯の歯肉)

顕微鏡検査で口腔内の菌を見てみると、歯周病の原因菌とされる大量のらせん状菌や、運動性の桿菌が見られました。
また、歯周病原菌のDNA検査をすると、基準値のおよそ80倍の菌が検出されたのです。

「自分では痛くも何ともないし、歯磨きしてても血だって出ないのに、わたし歯周病なの?」と驚かれていました。
歯周病は痛みを伴わない事が多く、なかなか自分では気付きにくい病気です。
歯磨きをしてもブラシが歯茎側に当たっていないと、血が出ないこともあります(喫煙者も出血しないことが多いです)。

そして大西式歯周病治療を行う事になりました。
まずは正しいブラッシング方法を習得していただき、歯間ブラシやデンタルフロスも練習しました。
ホームケアとして、歯磨剤・洗口剤も併用していただきました。
そしてロイテリ菌という乳酸菌に、三日間だけお薬も服用していただきました。(*)

↑クリニックでは何も処置をしていない、ご自宅でのセルフケアを2週間していただいた後の写真です。
先の写真と違うカメラのため色調は違いますが、歯肉の腫れが少し引いてきているのがお分かりでしょうか。

ぺリオトリートメントで除菌、歯石除去を行いました。
歯肉縁下歯石(歯の根に付いた歯肉の内側に隠れている歯石)が大量に付いていたため、ぺリオトリートメントは3回行いました。
口臭は1回目のぺリオトリートメント終了後からはほとんど気にならなくなり、ご家族からも口臭がなくなったと言われたそうです。

治療終了時の写真です。
歯肉は引き締まり、歯肉に覆われていた*印の歯が見えてきました。
出血もなくなり、歯周ポケットは4㎜まで改善しました。
お仕事の都合で来院できる日が限られていたため、治療期間は約3ヶ月かかりました。
現在は治療が終わり半年が経過して、定期的にメンテナンスに通っていただいています。
左上は骨も少なくなっているため、体調によっては出血することもありますが、ホームケアとメンテナンスを継続することで、良い状態を維持できています。

*東京浜松町大西歯科クリニックで行っている薬を使った歯周病治療は、まれに薬の副作用による下痢、倦怠感、薬疹などが起こるリスクがあります。また、歯周病の原因は歯周病菌とかみ合わせの不調和なので、治療後に歯周病菌に再感染したり、かみ合わせの変化が起こると再発のリスクがあります

個々の患者様の状態により結果が異なる場合があります。