軽度の歯周病治療
軽度歯周病の状態
軽度の歯周病は、歯肉の炎症にとどまらず、歯槽骨と呼ばれる歯を支える骨にまで炎症が起こっている状態です。
痛みを感じないため気づきにくいのですが、歯肉が赤く腫れて、ブラッシングしたときに血が出るなどの症状があります。また、骨が少し溶かされてしまうので、歯周ポケット(歯と歯肉の境目)が深くなってしまいます。
歯周ポケットが深くなると、ポケット内にプラーク(バイオフィルム)が入り込み、プラークを除去しないまま放置すると石灰化し、歯石になります。歯石の表面はデコボコしているため、その部分にプラークが付着し、どんどん骨を溶かしていきます。
痛みなど、危機感を感じるような症状がないため放置されてしまいがちなので、症状を感じたら歯科医院へ行きましょう。
軽度歯周病の症状チェックリスト
- 歯茎が赤く腫れる
- ブラッシングや食事をすると歯茎から出血することがある
- 冷たい水がしみることがある
- 歯を押すと前後に動くことがある
歯周病は「サイレント・ディジーズ(静かなる病気)」とも言われるほど、気づきにくい病気です。
チェックリストに照らし合わせて1つでも当てはまったら軽度歯周病の可能性がありますので、「痛くないし大丈夫だろう」と思わずに早期治療しましょう。
軽度歯周病の治療法
TBI(ブラッシング指導)
歯周病の原因は歯周病菌です。歯周病菌はプラークの中で繁殖していくので、ブラッシングでプラークを取り除くことができれば歯周病は改善していきます。つまり、プラークコントロールが大切になります。
歯科医院で治療をするよりも、自宅でブラッシングをすることのほうが圧倒的に多いため、ご自身で正しいブラッシング方法を覚えることは歯周病の治療においては、最も大切です。
治療を頑張って治したとしても、ブラッシングを怠ってしまえば、また再発してしまいます。そうならない予防の観点においても、このブラッシング指導は重要です。
歯石除去
プラークを放置すると石灰化し、歯石となります。歯石になってしまうと、ブラッシングだけでは除去することができなくなりますので、歯科衛生士が丁寧に除去していきます。
軽度歯周病の症例
before
after
基本情報 | 31歳 女性 |
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主訴 |
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術前
肉が全体的に赤く炎症を起こしていて、歯周組織検査ではほとんどの箇所から出血、歯周ポケットは奥歯がほぼ4〜5mmありました。
位相差顕微鏡検査ではカビ菌が多く検出され、歯周病原因菌のDNA検査でも菌が基準値の20倍近く検出される菌もありました。
術中
セルフケアではデンタルフロスの導入、乳酸菌や洗口剤、塗布薬、内服薬も併用しました。間食が多く糖質の摂取量も多かったため、糖質と歯周病・虫歯のリスクについての食事指導も行いました。
セルフケアで炎症が引いた後、エアフローピエゾンマスターにてプラーク(バイオフィルム)と歯石を除去しました。
術後
歯肉炎は改善し、赤み、出血、腫れが引きました。歯周ポケットは1箇所をのぞき全て3mm以下に改善し、全体的に引き締まった歯肉になりました。歯肉炎の改善と共に、口臭もなくなりました。
位相差顕微鏡検査、DNA検査の結果も全て基準値内に改善したため、今後は虫歯治療を行い、定期的なメインテナンスに移行する予定です。
治療に関するリスク
内服薬は抗生物質を使用するため、人により副作用が出る場合があります。
費用
初回検査 | 35,000円(税込 38,500円) |
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処方 | 20,000円(税込 22,000円) |
トリートメント | 15,000円(税込 16,500円) |
再検査 | 25,000円(税込 27,500円) |
合計 | 95,000円(税込 104,500円) |