HCLO療法

高濃度HCLOによる歯周病菌の溶解~歯周内科との併用で大きな効果が

従来の歯周病治療では、歯と歯ぐきの間にある汚れや、歯石を機具や手作業で機械的に除去していました。しかし、それだけでは細菌の完全な除去は困難であるのと、数か月するとまた細菌が増えてしまい、再発することも多くありました。しかし、高濃度HCLOを使用すると、お口の中の歯周病菌を細胞レベルで効果的に殺菌することができるため今までより、「治療結果の向上」「身体的負担の軽減」などの効果が見込めます。薬による歯周内科治療は素晴らしい治療ですが、プラーク内部や歯石内部を除菌することは出来ない為、この高濃度HCLO療法を併用し更なる治療効果の向上を行っています。

歯周病・口臭治療に効果を発揮する「高濃度HCLO水」

東京港区の歯科医院「東京浜松町大西歯科クリニック」では、より改善効果を発揮させるために、「HCLO水(高濃度次亜塩素酸水)」を使った最先端の歯周病専門治療・口臭専門治療を行っております。高濃度HCLO水を採用している歯科医院はまだ少ないため、治療においてどういったメリットがあるのかあまり知られていません。こちらでは、HCLO水についてお伝えします。

「HCLO水(高濃度次亜塩素酸水)」とは?

HCLO水は、免疫細胞として知られる白血球が持つ除菌成分を高い純度で活性化させた水です。不純物を限界まで取り除き、純度99パーセントの塩化物を電気分解させて作ります。優れた除菌力・消臭力を有しながら、安全性に優れ、人体に害を及ぼしません。 インターネットなどで安価な次亜塩素酸水が販売されておりますが、電気分解してつくるものだけに良質な塩とまじり物のない純水を原料に使ったものを選ぶべきでしょう。

高濃度HCLO水の機能

バイオフィルムの除去
口腔内のバイオフィルム(歯周病菌が膜状にまとまったもの)を剥離させます。
除菌効果
歯周病菌の細胞を構成するタンパク質を破壊し、効率的に除菌します(ほとんどの細菌やウイルスを30秒以内に除菌します)。
消炎効果
炎症を引き起こす活性化マクロファージ(免疫機能)を抑止します。

この水のもっとも大きな特徴は、含んでいる成分の効果によって、それ自身が「タンパク分解」から「除菌水」へと効力を変化させていくところです。つまり歯周ポケット内の汚れを「タンパク分解洗浄」しながら、同時に「除菌」も行えるという多機能性が注目のポイントだと言えます。

高濃度HCLO水の特徴

HCLOには、歯周ポケットの汚れをタンパク分解洗浄し、除菌できるという特徴があります。タンパク分解の酸性物質によって、次亜塩素酸イオンから次亜塩素酸に変化して高濃度の除菌水ができます。

生成直後は、タンパク分解洗浄の主役である次亜塩素イオン(OCL-)が480ppm、消毒の主役である次亜塩素酸(HCLO)が約20ppmであり、これは食品添加物法に定められた次亜塩素酸の上限80ppmよりはるかに低い濃度で安心して使用できます。

口に含んで約10秒間でPH9.0から7.0に急降下し約20秒間でPHが6.5になります、その時点でHCLOが20ppmから80ppmに上昇し、OCL-は洗浄に消費されほとんど0ppmになります。

他の消毒滅菌過程においてアルカリ洗浄後に酸性消毒薬を用いて滅菌するという、当たり前の過程を同時にできる機能を持った画期的な滅菌水が弱アルカリ高濃度次亜塩素酸水です。

高濃度HCLO療法とは?

「高濃度HCLO療法」は、高濃度HCLO水を使った最先端の歯周病・口臭治療です。一般的に歯周ポケット内の歯垢や歯石を除去する際には「スプラソン超音波歯周用スケーラー」という器具を使います。この療法では、超音波スケーラーに高濃度HCLO水を環流させることで、より効果的な歯垢や歯石、歯周病菌の除去を可能にしています。

薬を内服して行う歯周内科治療と組み合わせることで、治療の成果がさらにあがりやすくなります。治療だけでなく予防の効果も極めて高いです。また、歯周病が口臭の原因となっていることもあるため、口臭の改善も期待できます。

その口臭、病気かもしれません~生理的口臭と病的口臭~

口臭が気になるという方は多いと思いますが、「もしかしたらお口の病気かも?」と思っている方は少ないかもしれません。口臭は、日常生活で起こりうる生理的口臭と、歯周病などの病気から起因する病的口臭の2つに分けられます。口臭治療は、まず口臭の種類がこのどちらであるかを診断するところからはじめます。

●生理的口臭とは?
ニンニクや玉ねぎなど、ニオイの強い食べ物を食べたときや喫煙、空腹時などに一時的に口臭が強くなることがあります。また、唾液が少ないことでも起こります。これが一般的な生理的口臭です。

このほか、舌を最大限に出して鏡を見てみてください。舌の付け根の方に白い苔のようなものが付着していませんか? この舌苔が原因で口臭が発生していることがあります。舌苔は細菌の棲み家。食事の際の食べ物を栄養源にして溜まった舌苔の臭気が口から外へ出て行くのです。

舌専用ブラシを使って舌磨きをすることで改善されます。味覚もよりはっきりとよみがえるので、食べ物をおいしく感じることでしょう。ただし、舌の表面はデリケートなので強く磨き過ぎないように注意しましょう。

●病的口臭とは?
病的口臭のおもな原因は、歯周病です。歯と歯ぐきの間の歯周ポケットに溜まった歯周病菌から出る「メチルメルカプタン」「アンモニア」「硫化水素」という口臭成分がニオイの元になっています。進行とともに口臭の度合いも強くなっていきます。

口臭のほとんどは歯科の治療で治ります

当院では口臭の専門治療も行っておりますので、歯周病だけでなくその他さまざまな要因の口臭にも対応可能です。個別のカウンセリングルームでしっかりとお話をうかがい、多角的な検査のうえで診療を行いますので、一緒に原因を突き止め、治療していきましょう。まずはお気軽にご来院いただければと思います。

  • 誰にでも起こりうる生理的な口臭について、生活習慣のアドバイスを行います。
  • 病気が原因である口臭の場合は、その原因を突き止めます。
  • 唾液の減少が原因である口臭は、唾液量を効果的に増加させるアドバイスを行います。

口臭専門外来について

光殺菌治療(フォトダイナミックセラピー)
~Photo Dynamic Therapy~

光殺菌治療PDT(Photo Dynamic Therapy)とは歯周ポケットに光感受性物質を注入して、光を照射することで歯周病の原因となる細菌を破壊する最先端の療法です。 抗生物質を使わないので、体江の負担が少なく、安全な治療方法として認知されてきています。 医科ではレーザーの照射ができる範囲の早期の小さな腫瘍などにPDTを使用しています。また眼科では加齢黄斑変性症、皮膚科ではニキビ治療として、幅広く使用されています。 そして歯科では歯周病原因菌を死滅させ、健康な歯周組織を回復させる目的で行われています。

光殺菌治療のメカニズム

歯周ポケットの中の歯周病原因細菌を、光に反応する性質のある青色の染色材(バイオジェル)で染め、そこに特定の光(赤い光)を当てることで、短時間のうちに活性酸素が発生して細菌を破壊します。 バイオジェルが光に当たり化学反応を起こすことで、細菌の細胞壁に対して毒性のある遊離基に変化します。この遊離基が細菌を破壊します。

バイオジェルは例え誤って飲み込んでしまっても、人体には無害です。安心して使用することができます。

光殺菌治療のメリット 光殺菌治療のデメリット
  1. 痛みを伴わない。
  2. 治療方法がシンプルかつ短時間で処置できる。
  3. 抗生物質などの薬を一切使用しない。安全で害がない。
  4. 耐性菌が発生しないので繰り返し治療できる。
  5. 副作用が起こりにくい。
  1. 保険が適応されない。
  2. 無カタラーゼ症の方は治療不適応。
  3. 光感受性発作のある方は治療不適応

治療の流れ

  1. 歯石などの感染源を除去し、青色の染色材(バイオジェル)を歯周ポケットに注入します。
  2. 60秒光を照射することで、光殺菌します。
  3. バイオジェルや死滅した菌を洗い流します。

歯周病治療との併用

歯周病の治療と併用して行うことで効果が出ます。
あくまで歯周病に対してPDTのみ行うのではなく、PDT前に歯周ポケット内部の歯石などをクリーニングおよびSRP(スケーリング・ルートプレイニング)をしてからPDTを行い、PDT終了後には必ず破壊された歯周病細菌および毒素を洗浄することが必要です。

インプラントのメインテナンスに

インプラントもケアを怠ってしまうと“インプラント周囲炎”といって、インプラントのまわりに生じる歯周病に似た病気になってしまうことをご存知ですか?
せっかく埋めたインプラントを無駄にはしたくないですよね。
進行スピードが非常に速く、歯周病の10~20倍の速さで悪化していきます。インプラント治療を受けた方の25~56%がインプラント周囲炎にかかっていると言われ、歯科医療における重大な課題となっています。
一生使い続けるためにも定期的なクリーニングと併用してPDT治療することをおすすめします。

矯正中の歯周病予防に

矯正治療中でワイヤーを装着中は細かいすき間に歯ブラシが行き届きにくくなり、歯周病になりやすくなります。定期的なPDT治療で衛生的な口腔内環境を保ちましょう。

持続的・予防的な殺菌効果

・持続的な殺菌効果
活性酸素により、直接的な殺菌のみならず、人間が本来持っている免疫力を引き出すことで、殺菌効果が持続します。

・予防的な殺菌効果
治療している歯だけではなく。健康な部分に光殺菌治療を行なうことで、白血球が活発に働き細菌感染を防いでくれるという予防的な効果も見込めます。 歯周病ケアを受けるときに、同時に健康な歯肉に光殺菌資料を行なうことで、歯周病の予防にも繋がる可能性があります。

歯のメインテナンスが大事

歯周病を予防するためには、日頃のお手入れが大切です。しかしご自宅でのブラッシングだけで歯垢(バイオフィルム)を完璧に落とすことは難しいため、定期的に歯科医院でメインテナンスを受ける必要があります。「メインテナンスを受けない場合、治療しても5年後に45%の確率で歯周病が再発している」というデータ(※)もあり、メインテナンスが非常に重要だということがわかります。

※keerによる論文

お口の健康を考えるうえで大切なのは、「かかってから治す」のではなく「かからないよう予防する」ということ。ぜひ、定期検診でのメインテナンスをご利用いただければと思います。