重度の歯周病治療

重度歯周炎について

重度歯周病の写真

歯周ポケットの深さが6mm以上になると、「重度歯周病」または、「歯槽膿漏」と呼ばれる状態です。歯を支える顎の骨が大幅に溶かされ、歯が抜けてしまうリスクが高まってきます。

具体的な症状としては、

  • 歯茎が真っ赤に腫れ、膿が出る
  • 歯茎(歯周ポケット)からの出血がひどくなる
  • 歯の激しくグラつき、食事に不自由を感じる
  • 歯と歯の隙間が目立つようになる
  • 歯茎がさらに下がり、歯が長くなったように見える
  • 口臭が強くなる

といったものが挙げられます。

歯周ポケットにはさらに多くの歯垢・歯石が溜まり、歯周病原菌の活動によって歯茎や顎の骨が溶かされていきます。顎の骨がここまで溶かされると、万が一歯が抜け落ちてしまった際に、失った歯を補う治療をするのも大変になります。もし上記の症状に心当たりがあったら、一日も早く歯科医院で治療を受けましょう。

東京浜松町大西歯科クリニックは重度歯周病、歯槽膿漏の治療を得意としており、患者さんは、「咬める」、「味わえる」、「笑える」、「しゃべれる」幸せを取り戻し、笑顔も取り戻した方が沢山おられます。「なぜこんなになるまでほっといたの!?」などと、決して患者様を責めたり怒ったりいたしません。困っておられる患者様のために私達がいるのです。

どうぞ、遠慮やご心配なくあなたのお悩みを聞かせてください。 東京浜松町大西歯科クリニックには数十年先まで見据えてあなたを笑顔にする、重度歯周病の治療法があります。

重度歯周炎の治療について

重度歯周炎の治療には、あらゆる方法を用いて行いますが、歯周病を改善させるには、歯周基本治療が何よりも大切です。

適切なセルフケアやプロフェッショナルクリーニングでプラークコントロールを徹底して行い、 歯周病によって失われた歯周組織を回復させる必要があります。

歯を残すことを大前提として考えながらも、中長期の視点でリスクになりうる歯は抜歯をすることもあります。これを戦略的抜歯と言います。
患者様のご要望を十分にお聞きしながら、豊富な経験と知識から最適な治療法をご提案します。

具体的な治療法

歯周基本治療

歯周基本治療は、歯周病に罹患している原因を根本から改善し、できるだけ正常な口腔環境を作ることを言います。 プラークコントロール・デブライドメント・PMTCによって口腔環境を改善し、保存不可能な歯の抜歯や咬合調整などを行います。 歯周基本治療は患者様のセルフケアの質がとても重要なので、モチベーションの部分でもサポートしながら、二人三脚の治療が求められます。

フルマウスディスインフェクション

フルマウスディスインフェクションは、口腔内・身体の中の双方から歯周病原菌を徹底的に除菌していく治療です。 歯周病の原因となる菌はバイオフィルムと呼ばれるバリアに包まれている細菌の塊の中に存在しています。つまり、バイオフィルムはブラッシングだけで除去することができないため、 歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニングを行って除去していきます。

一方で、歯周病の原因となる菌は、体内でも生息が可能なため、抗生物質による除菌を行う必要があります。 従って、フルマウスディスインフェクションは、体内外の歯周病の原因となる菌を除去することにより、治療の効果を格段に高めることができます。

歯周外科治療

歯周外科治療は、歯茎の中深く(歯根の深いところ)にまで歯石が付着するため、器具が届かず取り切れません。 そうした場合は、麻酔をした後に歯茎を切開し、歯根を露出させて確実に歯石を除去していく治療です。詳しくは歯周外科治療のページを御覧ください。

歯周外科治療のページはこちらから

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法は、歯周病によって失われてしまった歯周組織を再生させる治療です。失われてしまった歯周組織の再生を誘導する薬剤を入れ、歯周組織の回復をさせていきます。

当院ではエムドゲインや幹細胞サイトカイン、CGF・AFGなどを駆使して、歯周組織を再生させます。詳しくは歯周組織再生治療のページをご覧ください。

歯周組織再生療法のページはこちらから

歯周補綴治療

重度の歯周病まで進行すると、歯を支える骨が大きく溶かされている状態なので、歯がグラグラします。 グラグラしている歯では、食べ物を噛むことが困難になるだけでなく、プラークコントロールも難しくなってしまいます。

そういった場合は、歯周補綴といってグラグラしている歯をかぶせものによって固定し、歯を安定させることを目的とした治療行います。 それによって、歯周治療と同時に噛み合わせの回復も目指すことができます。

抜歯

重度の歯周病であっても、まず最初に考えることは「歯を残すこと」です。一方で、歯を残すことによって起こるリスクも存在します。 中長期的な視点で考えたときに、どのような方法をとったとしても、残すことのリスクが高い場合と残せる見込みがない場合には抜歯を選択することがあります。

抜歯が必要な場合は患者様にその理由をきちんと説明し、理解と同意をしていただく努力をしています。

重度の歯周病の症例

重度侵襲性歯周炎による咬合崩壊を改善した治療例

このページに掲載している症例は患者様同意の元で掲載しております。

before

術前

after

術後
基本情報 38歳 男性
主訴 今まで色んな歯周病治療を受けたが良くならず、自然に歯も抜けてきて今後が不安。歯もグラグラして咬めない。

術前

術前写真

この症例の問題点は3つあります。

・全体的に歯茎のラインが下がっている
・前歯が前突しており、審美性に問題がある
・スーパーボンドと呼ばれる接着剤で固定されていたが、それが緩んでいる。

プラークコントロールは良好な状態でした。

検査

パノラマレントゲン

検査時レントゲン写真

レントゲンを御覧ください。
全額に渡り、重度の骨吸収(骨が溶かされている)が見られます。

患者様からは、「入れ歯にしたくないので、なにか他に治療法はありますか?」ということでした。

デンタルレントゲン

検査時デンタルレントゲン写真

右上4番、左上4番、7番、左下5番は根先に及ぶ垂直的骨吸収。 右下8番は埋伏し、手前の7番遠心に根面カリエスが見られました。

歯周病原因菌のDNA検査

評価

歯周病菌のDNA検査では、Redcomplex(重度歯周病の原因菌と言われているP.g菌、T.d、T.f菌)が基準値の1000を100倍近く超えて多数ありました。

模型分析

評価

評価

評価

印象採得をして模型を見たところ、
・咬合平面が左下がり、後ろ下がり ・ガイドもなし ・咬合湾曲、アーチも不正であることがわかりました。

重度歯周病の治療開始

幹細胞培養液を応用した歯周組織再生療法

幹細胞培養液を応用した歯周組織再生療法

幹細胞培養液とは、幹細胞を培養するときに分泌する成分が多く含まれている培養液のことです。 一般的な細胞は、培養時にこれほど多くの成分を分泌しないので、これは幹細胞特有の機能と言えます。 幹細胞培養液には、幹細胞自体は一切入っていないので、倫理的な問題や遺伝子の問題はありません。この培養液の成分こそ世界で注目を集めている再生誘導成分といえます。

・歯間乳頭の再生  ・SRP後の歯肉退縮予防 ・骨や歯肉の再生治癒促進など、様々な口腔内組織の再生に応用できます。

ブラケットフリー矯正(アラインチューブ矯正)

ブラケットフリー矯正(アラインチューブ矯正)

重度歯周病は歯列がフレアアウトしていたり捻転、傾斜していることが多く、そのままでは力学的にも審美的にも理想的な咬合再構築を行うことが難しいです。

そして、神経もなるべく保存しながら歯周補綴するには、矯正治療が必要になるケースが多いです。

その際、ブラケットをつけて矯正するよりも、より弱い力で、歯も早く動き、 見た目も目立ちにくい「アラインチューブというものを使用したブラケットフリー矯正」で効率的に歯の移動をは図りました。

歯周補綴治療

歯周補綴治療

歯周補綴するための形成印象、中心位咬合採得、フェイスボウ採得をし、Kavoの咬合器を使用して、ジルコニアを応用した理想的な咬合平面、咬合弯曲、咬合面形態を付与した補綴物を製作しセットしました。

術後

術後

左右シンメトリーなアーチを付与することが出来ました。昨今ショートアーチの考え方もありますが、7番は、咬合力の50パーセントを担い、6番を支えています。 関節の最も近くに位置し、口腔内陰圧に必要であります。音響学的にも奥行きを作っています。

全体的に歯槽骨は再生され、安定しており、4〜8ミリの深かった歯周ポケットもほとんど2ミリに改善され、歯周補綴の前段階でも動揺はなくなっておりました。審美的にも、ほとんど生活歯のまま前突や叢生を改善することができました。

目標とした、長期的に良好な予後を期待できる咬合再構築をすることが出来ました。患者さんにも、機能的、審美的にとても満足される結果を得る事が出来ました。

重度歯周病でお困りの方は、当院へご相談下さい。

重度歯周病は、食事など生活に支障ができるほど進行してしまっている状態です。でも、諦めずにしっかりと治療することで、改善が期待できます。 当院では完全予約制ですが、相談も承っておりますので是非ご活用ください。

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